ジュニアサッカージャッジ リプレイ#43

 概要:誤審疑惑

 

11月の三連休の最終日(11月4日の月曜日)に全日に向けた6年生の練習試合3試合の審判をしました。

前日のリレーの激走の反動があるので、ちゃんと動けるのか1試合目から不安でいっぱいでしたが、なんとか出来ました。

 

試合は20分ハーフで、試合終了後には試合の結果に関わらずPKも行うというものでした。(PKは全日対策として)。

 

2試合後半に審判をしたので、その流れでPKも行いましたが、公式戦では審判でPKをしたことがないので私もいい経験になりました。

 

それで問題は2試合目のPK。3人が蹴りあって勝敗がつかなければ延長サドンデスなんですけど(公式戦と同じ形式)、3人で決着がつかずに5人目まで。それで息子のチームの5人目が外して、相手チームが決めて終了だったんですけど、その外したPKに対して、息子のチームのコーチと選手が試合終了後に抗議。

 

どんなPKだったかというと、キッカーが右サイドにキック。それが、ゴールポストではなくその内側に当たって跳ね返ったんですけど、私が見ていた限りではボール1個分入ったようには見えなかったのでノーゴールと判定しました。

一人のコーチは「ボール1個分は入っていなかったと思うけど」といってくれたんですけど他のコーチと選手は入っていたという意見が圧倒的。

 

それで、保護者が撮影していたビデオの映像でビデオ判定する流れに。

コマ送りで映像を確認したところ、ゴールポストとゴール底面の外枠(なんていうのかわかりませんが)とつなげている継ぎ目に当たって跳ね返った感じで、ボール1個分入っているようには見えないという事で、結果的には私の誤審疑惑ははれました。

 

抗議といっても練習試合だし、自分のチームの判定なんでコーチも笑いながら文句を言ってましたけど、これがもし全日だったら大変な騒ぎになるのか、ならなくても負けたチームにとっては「審判がちゃんと見てなかったから負けた」となるので、PKになったら自信をもって「入った、入っていない」といえるように集中しないといけないなと感じました。

 

PK戦も何度かやらないと手順を忘れてしまったり手順を逆にしてしまうとグダグダになってしまうので、事前に流れを確認するのと、やっぱり何度か場数を踏んで失敗をして手順を覚えていくと思うので、大事な公式戦の前にカップ戦とかで経験を積んでおくのがいいかなと思います。

もし、PK戦の経験があまりないのに全日のような大事な試合で審判をする事になった場合はPK戦の段取りを自分なりにまとめて確認しておいた方がいいと思います。

間違っても、「どうせPKにはならんやろ」なんて思って準備しないでいるとPKになってしまうので、しっかりと準備しておきましょう。

 

競技規則の関係する条文を確認したら、結構色々と書いてありました。

私が今まで何度かグダグダになりながら経験して、私なりに重要と思うチェックポイントをまとめておきます(私なりにチェックするポイントなんでこれで完璧ではありません)

 

事前準備

・引き分けの場合にPKがあるのかどうか、ある場合は人数(ジュニアの場合、カップ戦なら「1人+サドンデス」とか「3人+サドンデス」とか)。

PKになった時(開始まで)

  1. 後半終了の笛は前半と同じにする(別にルール上決まっているわけではないけど、「ピッ、ピッー」と2回にしています)
  2. 両チームのキャプテンだけ残してそれ以外の選手は一旦ベンチに引き上げさせる
  3. ※追記 試合終了時に出場していなかった選手と勝手に交代しないように注意が必要(予備審がいるならサポートしてもらう)
  4. コイントスを2回する(1回目はどちらのゴールを使うか、2回目で先に蹴るか後でけるか)。ただし、カップ戦なんかだと、自分の判断で日差しとか観客の多い方などでゴールを指定したりしてます(選手にはこういう理由でこっちのゴールですると説明してます)。公式戦の場合は日差し(西日)がきつい場合はゴールキーパーが見やすい方にした方がいいかなと思いますが、これに関してはきちんとそうだとは言えないのでルールをちゃんと知っている人に確認して下さい
  5. 「キャプテンに準備が出来たらセンターサークルに集まって」と言って一度ベンチに戻す
  6. 両チームの選手をセンターサークルに集合させる
  7. 両チームのキーパーは使用するゴールの方に向かわせる

PKになった時(開始から終了まで)

  1. ゴールキーパーにキックされるまではゴールライン上にいるように指示
  2. キックする際の注意点としてはちゃんとペナルティーマーク上にボールをセットしているか確認
  3. キックする選手の背番号もチェック
  4. キッカーが位置についたら笛を吹く
  5. キックが成功したか失敗したかチェック
  6. 勝敗が決まった際には試合終了の笛を吹く
  7. 整列させる(喜んで抱き合ったりしている事もあるので、頃合いを見て整列するように声をかける)

 

私もそれほどPK戦の経験があるわけではないので、手順を飛ばさないように不安になりながらやってます。

予備審(第4審)がいる場合はゴールラインをみてもらうのと、待っているゴールキーパーが所定の位置(赤字)にいるようにチェックしてもらうよう協力してもらう事ですかね。

 

競技規則(2019/20) 第10条 試合結果の決定(一部抜粋)

3. ペナルティーマークからのキック
試合後にペナルティーマークからのキックが行われるときも、他に規定されていない限り、競技規則の関係諸条項が適用される。
進め方
ペナルティーマークからのキックの開始前
・ 主審は、その他に考慮すべきこと(例えば、グラウンド状態、安全など)がない限り、コインをトスしてキックを行うゴールを決定する。そのゴールは安全上の理由、あるいは、ゴールまたはフィールドの表面が使用できなくなった場合に限り変えることができる。
・ 主審は再度コインをトスし、トスに勝ったチームが先にけるか後にけるかを決める。
・ プレーを続けられなくなったゴールキーパーに代わる交代要員を除いて、試合終了時に競技のフィールドにいた競技者、または一時的に(負傷、用具を正すためなどで)競技のフィールドから離れていた競技者のみにペナルティーマークからのキックを行う資格が与えられる。
・ それぞれのチームが参加資格のある競技者からキッカーを選び、キックを行う順番を決める。順番を主審に通知する必要はない。
・ 試合が終了したとき、ペナルティーマークからのキックを行う前、または進行中に、一方のチームの競技者数が相手チームより多くなった場合、競技者のより多いチームは相手競技者数と等しくなるように競技者数を減らし、除外するそれぞれの競技者の氏名と番号を主審に通知しなければならない。除外された競技者は、キックに参加することができない。
・ ペナルティーマークからのキックの前または進行中にゴールキーパーがプレーを続けられなくなったとき、競技者数を等しくするために除外された競技者とゴールキーパーが入れ替わることができる、また、そのチームが競技会規定に定められた最大数の交代を完了していなければ、氏名が届けられている交代要員と交代できる。退いたゴールキーパーは、それ以降ペナルティーマークからのキックに参加できず、キッカーを務めることもできない。
ゴールキーパーが既にキックを行っていた場合、入れ替わって参加したゴールキーパーは、次の一巡までキックを行うことができない。
ペナルティーマークからのキックの進行中
・ 資格のある競技者と審判員のみが競技のフィールドの中にいることができる。
・ キッカーと両ゴールキーパー以外、すべての資格のある競技者は、センターサークルの中にいなければならない。
・ キッカー側のゴールキーパーは、競技のフィールドの中で、ペナルティーエリアの外で、ゴールラインペナルティーエリアの境界線との交点のゴールライン上にいなければならない。
・ 資格のある競技者は、ゴールキーパーと入れ替わることができる。
・ キックは、ボールの動きが止まったとき、ボールがアウトオブプレーになったとき、または反則があって主審がプレーを停止したときに完了する。キッカーがボールを再びプレーすることはできない。
・ 主審はキックを記録する。
ゴールキーパーが反則を犯し、その結果キックのやり直しとなった場合、そのゴールキーパーは警告されなければならない。
・ 主審がキックを行うよう合図した後に犯した反則でキッカーが罰せられる場合、そのキックは失敗として記録され、キッカーは警告される。
ゴールキーパーとキッカーの両方が同時に反則を犯した場合:
  ・ キックが失敗した、あるいは、セーブされた場合、そのキックは
   やり直しとなり、両方の競技者は、警告される。
  ・ ボールがゴールに入った場合、得点は認められず、そのキックは
   失敗として記録され、キッカーは、警告される。次の条件に従っ
   て、両チームが5 本ずつのキックを行う。
・ キックは、両チーム交互に行われる。
・ それぞれのキックは異なる競技者によって行われ、資格あるすべての競技者がキックを行わなければならず、その後はいずれの競技者でも2 本目のキックを行うことができる。
・ 両チームが5 本のキックを行う以前に他方が5 本のキックを行ってもあげることができない得点を一方のチームがあげた場合、以後のキックは行われない。
・ 5 本ずつのキックを行ったのち、両チームの得点が同じ場合、同数のキックで一方のチームが他方より多く得点するまで、キックは続けられる。
・ 上記の基本原則はその後続けて行われるキックにも適用されるが、チームはキッカーの順番を変更することができる。
・ ペナルティーマークからのキックは、競技者が競技のフィールドから離れたことで遅らせてはならない。競技者がキックを行うまでに復帰しない場合、その競技者のキックは無効(無得点)となる。