Jリーグジャッジ リプレイ #9

今回は検証するプレイは一つだけ。

 

プレイの検証の前の小話では、平畠さんが上川さんに「気温が低くなってきたのでレフリーも走りやすくなってるんですか」って質問。「気温が低くて選手も走りやすくなっているし、プレーがあまり止まらない試合だとレフリーも休める時がなくて大変」という事でした。

確かに選手と同じグラウンド(環境)で審判するので、審判が動きやすい条件(気温や湿度、天候)の時は選手も動きやすいので選手の動きも激しくなって大変だし、夏の猛暑などで選手がへばって動けなくなるような劣悪な条件の中では、審判だってへばってしまうだろうし、結局はどの試合でも、その時の条件の中で選手はMAXの動きをするので、審判もそれに合わせて動く必要があるので、楽な試合などないということでしょうね。

 

今回のプレイ(J2 第42節)

 町田対東京V(88分)  東京Vのカウンターアタック 東京Vの4番が町田の23番に倒される

 

プレーの内容:町田がゴール前にクロスを放り込む。東京Vがはじき返して、左サイドからカウンター。パス交換して4番香川選手が抜け出す。振り切られる大ピンチになるので、町田の23番酒井選手が完全にファウル覚悟で体をぶつけにいって香川選手を止める。審判のジャッジは「ファウル+イエローカード

 

東京Vの選手・スタッフが抗議して(出されたカードの色に対して)、東京Vの通訳が退席させられる。

 

争点は出されたカードがイエローかレッドか。このプレーでレッドになるかどうかの条件および上川さんの見解は下記の通り。

  1. 決定的な得点機会の阻止に当たるのか
  2. 体をぶつけた行為が著しく不正なプレーにあたるのか

1に当たるのかどうか:確かに抜け出せば得点のチャンスではあった。ただし、サイドラインに近い位置であり、そのまま縦に抜けようとしていた事と中央の守備側の位置や人数を考えると決定的な得点機会とまでは言えない。

 

2に当たるのかどうか:酒井選手(守備側)は明らかにボールではなく香川選手の体を止めようとしてチャージしているが、過剰な力というまでのプレーではない。香川選手のお腹の辺りに手をかけているが、それほど力をかけて当たっているわけではない。手を顔などに当てていたらレッドの可能性もあったが、著しく不正なプレーとまでは言えない。

 原さんもイエローが妥当という意見。4級審判の私も同じ意見です。

 

上川さんから、このプレーの際の審判の動きにも言及があったんですが、カウンターになったらすぐに走り出し、試合終了間際にも関わらず走るスピードも落ちておらず、反則が起こった際の位置取りもよく、また、反則が起こった際に中央の状況(守備側・攻撃側の選手の人数や位置)を確認して状況を把握して、決定的な得点機会かどうか判断しており、「審判の動きがすばらしい」と賞賛されていました。

 

参考情報

退場になる条件(競技規則そのままではなく、私がざっくりとまとめたもの)

  1. 得点または決定的な得点機会の阻止(ハンドやファウルで)
  2. 危険なプレー(後ろからタックルなど)
  3. プレーとは関係ない乱暴な行為(殴ったり、つばを吐いたりなど)
  4. 1試合で2枚目のイエロー
  5. ビデオオペレーションルーム(VOR)に入る VAR絡みで今年からこんなのも追加されてます

 

 

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