止め際が肝心

サッカーの審判をしていると、選手が怪我をしたりして試合を止める必要があります。

第4種(ジュニア)の場合は、(特に低学年になればなるほど)怪我の程度によらずに少しの痛みでも泣いたりする子もいるし、顔面にボールが当たって泣いたりすることもあるので、止めないといけない頻度は多いと思います(4種以外の審判をしたことがないので勝手な思い込みかもしれませんけど)。

 

Jリーグの試合を見ていたりすると、選手がうずくまったままだったりしたら、ボールを持った選手がすぐにボールをタッチラインに出したりしますが、これってジュニアの試合では中々出来ないです。ベンチ(コーチ)が「ボール出して」と言っても、何をしていいのか理解できない子供も多いので、ジュニアの試合で選手が自主的にタッチラインにボールを出すというのはほとんど期待できません。

 

子供が倒れているのをみたら、出来るだけ試合に影響のなさそうな時(どちらかのチームが確実にボールを保持している状態で、得点チャンスなどでない状態)に笛を吹いて試合を止めるのが一番いい方法だと思います。

 

それで、止めた後の試合再開はドロップボールで再開になるんですが、競技規則(下記参照)では誰でも参加できるし、審判はそれに対して指示できないとなっているんですけど、これもプロだったら、再開する位置などによって、ボールを保持していたチームだけドロップボールに参加したり、ボールを保持していなかったチームがドロップボールしたボールを相手チームに返したりするんですけど、ジュニアではこんな事も難しいです。

 

私が今までいくつか失敗を経験して、現時点で思うのは、ボールを持っていたチームの選手だけドロップボールに参加させるのが変なトラブルが無く試合再開できるかなと思います。今まで何回かこの方法でやりましたが、さも当たり前という雰囲気で始めれば、相手チームの選手が寄って来ることはありませんでした。もし、寄って来た場合は軽く説明しないといけないかなと思いますけど(本来であればそれはルール違反なんでしょうけど)。

一番重要なのは、再開によってどちらかのチームに不利があってそれが得点につながるという事がないようにすることなんで、選手が倒れていてもすぐに止めるんではなく、止めるタイミング(ボールが落ち着いている時&ゴールに近くない場所)を見極めるのが大事かなと思います。

  

私の失敗例(いずれも選手がうずくまっていて試合を止めたケース)

  • ドロップボールで再開する時に、息子(ボールを保持していなかったチーム)だけ参加させてドロップボールしたボールを相手チームにパスさせたんですが、相手チームの選手が初めての経験で事態を飲み込めておらずに、ゴールキーパーにバックパスしてしまい、そのままキーパーがそのボールを手でつかんでしまった。本来ならバックパスなんですが、そのまま反則を取らずにプレーを続行させました。
  • タッチライン際(2~3m位)だったので、ボールを出すように言ったんですがボールをタッチライン上に止めてしまった(本来であれば出ていない)。笛を吹いてタッチラインから出たことにして試合を止めて、スローインから再開。

 

ジュニアではあまり関係ないかも知れませんが、下記のような 記事がありました。

意図としては、終了間際に時間稼ぎでわざとこけたりするフェアプレーを逆手にとった行為が横行している事に対する抗議(警鐘)なんだと思います。確かに勝っているチームの選手が終了間際に痛がって中々立ち上がらないのは見苦しいと感じます。時間稼ぎと思われる行為が多いので本当に痛めていたとしてもそう見えてしまいます(ワールドカップネイマールも批判されてましたけど)。

勝つための手段といえばそれまでなんでしょうけど、観客がそれに対してどう感じるかということも考えないと、サッカーファンが離れていってしまいますよね。

 

ボールは出さない。出されても返さない。 ~いつも心にリスペクト Vol.28~ | JFA|公益財団法人日本サッカー協会

 

 Jリーグジャッジ リプレイ #7 - 渦の中で

ブログには書きませんでしたが、#7の中で原さんが、「選手が倒れていてもボールを出さずに攻撃するという選択をしておいて、相手側にボールがわたった瞬間に「ボール出して」って要求するというのはずるい」と発言されてました。

 

 

競技規則第8条 プレーの開始及び再開(一部抜粋)

2. ドロップボール
進め方
主審は、プレーを停止したときにボールがあった位置でボールをドロップする。ただし、ボールがゴールエリア内にあるときにプレーを停止した場合、ボールは、プレーを停止したときにボールがあった地点に最も近いゴールラインに平行なゴールエリアのライン上でドロップされる。
ボールがグラウンドに触れたときに、ボールはインプレーとなる。
何人の競技者でもドロップボールに参加できる(ゴールキーパーを含む)。主審は誰がドロップボールに参加してよいか、また、ドロップボールの結果について指示できない。