盛り上がっているという言い方は不謹慎かもしれませんが、湘南対浦和の誤審がかなり大きな話題になっているので、私も一つ。
まあ、去年から審判やり始めたばっかりのオッサンの意見なんで、それほど中身があるものでもありませんけど。
・主審の位置
シュートを打った時点で主審はPAラインから7~8mほどセンターラインより、中央より少し右(攻撃側から見て)の位置。シュートを打った選手からの距離・角度共に悪くはないけど、シュートを打った後にゴールと主審の間に選手が4人ほど入ってしまったので、結果的にボールがゴールに入ったかどうかわかりにくい位置になってしまっていた。
シュートを打った後に少し左側に移動すればもう少し確認がしやすかったかもしれないけど、シュートが右のポストに当たってから左のネットに当たったので最初から左に移動するのは無理だったと思う。
・副審の位置
シュートを打った位置がPAの1mほど外で、その時点でディフェンスラインはPAのラインより50cmほどゴールライン側。副審も大体ディフェンスライン上に位置出来ていたので、ゴールラインからは15mほどの位置。その位置からシュートされた後にゴールライン側に移動したけど、シュートがポストに当たってネットに当たって跳ね返った時点ではゴールラインから7mくらいの位置。角度的にキーパーが邪魔になって見えなかったというのはなさそう。
ただし、副審からゴールの左サイドネットまでの距離は40mくらいはあったと思うので、ボールがサイドネットに当たったのかはっきりとは見えなかったのではないでしょうか?映像をみるとかなりの勢いで跳ね返ってきてるので、副審も「あれだけの勢いで跳ね返ってきたのだからゴールポストに当たったのだろう」と判断したのではないでしょうか。
第4審やもう一人の副審の位置がどうだったかは映像では映ってなかったのでよくわからないけど、多分遠すぎてよくわからなかったんじゃないかと思います。
仮に「入ったような気がする」と思っても、自分より近い位置にいる副審が「入ってない」と言えば、入ったと主張できないんじゃないかと思います。
今回の問題点:
ネット張りすぎでは?あと、ゴール周辺1m以内には物(水筒その他)を置かないようにした方がいいのでは。
GKが置いた水筒か何か(白い物体)に当たって跳ね返ったようにも見えるし、ネット自体がピンと張ってあったので跳ね返ったのかもしれません。ネットの張り方をボールが当たっても跳ね返らないくらいに少しゆるく張ることは可能なんでしょか?あと、ゴール周辺1m以内には物を置かないようにすれば今回の誤審は防げたかもしれませんね。
ただし、今回の事象に関していえば防げたかもですが、例えばゴールラインを割っているのにキーパーがボールを掻き出したり、2010年のドイツ対イングランドのランパードのシュートみたいに一度ゴールインしたのにボールが外に戻ってきたりした時には副審(人間)の目だけで確認するのは厳しいでしょうね。
根本的な対策:
GLTが導入されていればちゃんとわかったでしょうし、ビデオ映像(VAR)でも分かったと思うんですけど、そこはお金の話になってきますね。GLTは単純にお金の話ですけど、VARは人員の養成という人の問題も出てきます。
今シーズン、Jリーグの一部の試合ではVARが導入されるので(下記のブログで書いてます)、J1に関してはゆくゆくはすべての試合にVARが導入されるのでしょうけど、J2やJ3にまでVARというのはお金の面でも人の面でもハードルが高そうですね。
Jリーグジャッジ リプレイ #知ってるつもり?!VAR編 その1 - 渦の中で
GLTやVARに関してはFIFAなんかの承認が必要ってわざわざ競技規則にまで明記されてますけど、国際試合や国内のトップリーグ以外は、簡易的なカメラ(装置)を審判を補助する機器として利用してもいいようにできないですかね。
たとえば、ゴールネットに数か所(2~4か所ほど)、ゴールラインが見える位置にカメラを設置すれば、GLTほどの精度はなくても大体の判定はできるんじゃかいかと思うんですけどね。
GLTについて
第1条 競技のフィールド(一部抜粋)
11. ゴールラインテクノロジー(GLT)
GLT システムは、得点があったかどうかを検証し、主審の決定を援助するために用いることができる。
ゴールラインテクノロジー(GLT)を用いる場合、ゴールの枠の修正が認められる。修正はFIFA GLT クオリティプログラムの規定および競技規則に従って行わなければならない。GLT の使用は、各競技会規定に明記されなければならない。GLT の要件および規定
競技会の試合でGLT が用いられる場合、競技会主催者は、システムが次の要件を満たしていることを確認しなければならない:
・ FIFA クオリティプロ
・ FIFA クオリティ
・ 国際試合基準
VARについて
VAR手順(一部抜粋)
可能な限り、VAR の手順は競技規則の原則と理念に従うものとする。
ビデオアシスタントレフェリー(VAR)は、試合や大会の主催者がVAR の手順(VARハンドブックに記載された)と実施要件を満たし、IFAB およびFIFA からの文書による承認を得た場合にのみ認められる。