Jリーグジャッジ リプレイ #知ってるつもり?!VAR編 その1

今年初めてのJリーグジャッジリプレイです。

冒頭で原博実さんが「この番組、今年もあってよかったね」って言ってましたけど、今年もぜひ続けてほしいです。今回は上川さんに代わって扇谷健司(JFAトップレフリーグループ グループマネージャー)さんが出演。きちんと紹介されてませんでしたけど、今年は上川さんに代わって扇谷さんがレギュラーメンバーになるみたいです。

 

今回はVARについて

Jリーグでは今季下記の14試合でVARを導入する予定みたいです。原さんの話では、強引に導入した韓国や中国がそのせいで逆に大混乱したり、昨年導入したドイツでも導入当初は結構混乱したようなので、一気に導入ではなく少しずつ導入していく事になるみたいです。ただし、Jリーグ(J1)全試合に導入となると5億円ほどかかるようなので、そこにお金を使うのがいいのかそれとも育成や環境などに投資するのかなどは検討していくようです。

 あと、お金の問題だけではなくて、運用できる人員の養成が追い付かないという人の問題もあるようなので、導入する試合を増やすと同時に次の人員も養成していかないといけないようです。

ちなみに、扇谷さん曰く、VARをする資格があるのはトップリーグの審判だけなので、そもそもVARになれる資格を持つ人が少ないし(広く見積もっても1級審判で約200人)、簡単には増やせないですよね。まあ、引退したトップリーグの審判もできるという事なのでそういった人になってもらえれば多少は人の問題も解決できるでしょうけど。

 

気になったのは、「VARはトップリーグの経験が・・・」という話でしたけど、AVAR(アシスタントVAR)やリプレーオペレーター(RO)がどの程度の審判経験がいるのかという話はなかったので、そこはどうなのかも気になりました。

例えば、AVARはトップリーグの経験がなくてもこれからトップリーグの審判を目指す人(1級になり立てや有望な2級審判)もできるようになれば人の問題はかなり解決できるでしょうし、AVARの経験をこなした人がトップリーグの審判になれば、VARも直ぐにできるようになるかなと思いますけど。

まさかのROまでトップリーグの経験がいるとなれば全然人が足りないと思うんですけど、ROに審判経験はいるんでしょうかね?もし、今後VARがどんどん導入されて、「多少の審判経験があればROになれる」とかになれば、やってみたい気もします(まあ、無理でしょうけど)。

 

今季(2019年度)VAR導入予定の試合

ルヴァンカップ プライムステージ全13試合(準々決勝・準決勝・決勝)

・J1参入プレーオフ1試合(決定戦)

 

 

今国内でもユースなどの大会でテストで導入しているみたいで、その中からVARが関わったプレイと、その時の主審(たまに第4の審判)とビデオオペレーションルーム(VOR)のやり取り(会話)が紹介されていて、特にレフリー同士の会話が非常に興味深かったです。

 

2018年J リーグインターナショナルユースカップ

ウルヴァーハンプトンFC対浦項スティーラーズ

 

プレイの概要:中央からスルーパス。FWが完全に抜け出したが、PAの少し中で後ろからDFが腕をつかみながら足もひっかけて倒す。

審判のジャッジはファウルでPK+イエローカード

 

争点:ファウルがあったのがPAの中か外か。カードの妥当性。

 

結果

主審の判定 :「ファウルでPK + イエローカード

ビデオ確認後:変更なし

 

 

主審は「決定機の阻止があったが、PKなのでイエローカード」という判断なんでしょうけど、腕をつかんで倒した(引きずり倒したという表現の方があっているかも)のがレッドカードに該当するのじゃないかということで、VARはビデオ確認(オンフィールドレビュー)を勧めました。あと、反則がPAの中外どちらで発生したのかも映像で確認されてましたけど、こちらに関しては、PA内という事で特に争点にはならず。

 

会話

VAR:「アラキ(主審を呼び捨て)、オンフィールドレビューを勧める」(言い方が上から(先輩のような口調))

主審 :「はい、わかりました」(後輩口調)

(映像を確認)

主審 :「イエローで。」

VAR:「イエローでいい?」

主審    :「はい」

ちょっと間があく。

VAR:「OK、はい、分かった」

 

多分、VARはレッドと思っていたのが、主審の判断がイエローだったんで、納得していないのが会話から伝わってきます。

扇谷さんもレッドという認識をされてましたし、私も掴んで引きずり倒したのは悪質なんでレッドじゃないかなと思うんですけど、主審はどう考えてジャッジしたんでしょうね。

 

追加補足:試合結果をみると、このPKが発生したのは68分(後半23分)で2-2の同点の状態。PKが決まって3-2になるんですけど、残り時間がまだある中で、負けているチームが一人退場という試合がほぼ終わってしまう状況を作ってしまうのがレッドカードが出せなかった要因だったのかなとも思ってしまいます。

 

ウルヴズvs浦項の試合結果・データ(Jリーグインターナショナルユースカップ:2018年12月23日):Jリーグ.jp

 

ちなみに、この時の主審は荒木友輔さん。主審10人副審4人しかいないプロフェッショナルレフリーの一人ということで、日本トップクラスの審判です。

 

プロフェッショナルレフェリー(PR)|審判員紹介|審判|JFA|日本サッカー協会

 

 

主審とVARの会話を初めて聞きましたけど、思った以上に大変そうですね。一瞬もプレイを見逃せない主審ほどではないでしょうけど、緊迫感が会話から伝わってきますね。

 

「VAR編その2」もあるんで、そちらも書きます。

 

m.youtube.com

 

競技規則第12条 不正行為とファウル(一部抜粋)

警告となる反則

反スポーツ的行為に対する警告

・ボールをプレーしようと試みて反則を犯し相手競技者の決定的な得点の機会を阻止し、主審がペナルティーキックを与えた場合

 

退場となる反則

得点、または、決定的な得点の機会の阻止

競技者が相手競技者に対して反則を犯し、相手競技者の決定的な得点の機会を阻止し、主審がペナルティーキックを与えた場合、その反則がボールをプレーしようと試みて犯された反則だった場合、反則を犯した競技者は警告される。それ以外のあらゆる状況(押さえる、引っぱる、押す、または、ボールをプレーする可能性がないなど)においては、反則を犯した競技者は退場させられなければならない。