高校野球が終わりましたね。今年は始まる前から大阪桐蔭の強さが話題で、私の周りでも、「えっ、あんた高校野球なんか見るの?」って人からも「今日、大阪桐蔭の試合やな」なんて会話があったりして、世間の注目度も高かったですね。途中から金足農業の快進撃があって、さらに盛り上がってましたね。
その中で、今年は特に酷暑の中での大会についての批判や、相変わらずの投手の酷使についての批判が大会中や大会後も続いています。
その中で、投手の球数制限の是非についてちょっと私の意見を書いてみます。
球数制限賛成派の代表的な意見
- 投手の選手生命を守る為
球数制限反対派の代表的な意見
- 強豪(私立)高校が有利になる
- 本人が望んでいる場合もある
- 大半の高校球児は高校で野球を辞めるので選手生命が絶たれても関係ない
- どれだけ投げれば怪我するのかはっきりわかっていない(正しいフォームであれば怪我しない)
ネット上でも色んな人(元・現役プロ野球選手、指導者、スポーツライターなど)が色んな事をいっています。その中で私は球数制限賛成派なんで、勝手な意見を書きます。
1.強豪(私立)高校が有利になる
今だって、別に戦力が均衡しているわけではなく、普通の公立高校からみれば私学の強豪校の打線なんて全員4番みたいなもんでしょう。本当に強豪校が選手を集めるのがいけないと思うんだったら、少なくともいわゆる野球留学は全部駄目にしないといけないでしょう。影響があるのは、一人の突出した投手を擁する学校だけで、全体としては都道府県上位(準々決勝辺り)になるとあまり影響はないんじゃないでしょうか。
2.本人が望んでいる場合もある
確かに甲子園というのはその後の選手生命が絶たれてもいいと思えるほどの輝かしい舞台だとは思います(例えば他の競技でもオリンピックで金メダルがとれるならその後の選手生命が絶たれてもいいという選手はいると思います)。また、自分ひとりにチームの全てがかかっている状況で「故障してプロ野球で活躍できないと嫌なんで」といえるような選手は中々いないでしょう。監督だって、この試合を勝ったら甲子園という状況で絶対的なエースを故障のリスクがあるという理由で代える決断はとれないでしょう。
3.大半の高校球児は高校で野球を辞めるので選手生命が絶たれても関係ない
確かに多くの高校球児は高校で野球を辞めてしまう(競技レベルとしては 趣味としての草野球などは別として)ので、日常生活に影響がなければ肩肘が壊れたとしても頑張りたいというのはあるかもしれません。でも、ここで問題となるのは突出した能力でプロレベルで活躍できる投手(チームが弱くても一人でチームを勝たせてしまう選手)が5試合も10試合も一人で投げてしまう事で、プロにいけないようなそこそこな好投手は都道府県のベスト8辺りで力尽きるので投げたとしても3~4試合(それでも短期間に500球くらい投げてしまうかもしれませんが)なんで、故障することはない、あるいは故障したとしても、本人が高校で最後と思っているのであれば、いい思い出になったという事でいいのかも知れませんが。
4.どれだけ投げれば怪我するのかはっきりわかっていない(正しいフォームであれば怪我しない)
100球でいいかどうかわからないとか100球制限でも怪我する時はするとか正しいフォームを身に付ければ大丈夫とかいう意見もありますが、一つだけはっきりしているのは、投げれば怪我をする(リスクがある)という事。例えばサッカー選手がトミージョン手術を受けたなんて話は聞いたことがないので、投球するという事は少なければ少ないほどリスクは少なくなるでしょう。であれば、100球の根拠がどうとかいってないで少しでも球数が減るようにしないといけないんではないでしょうか。
球数制限の方法
- 1試合の球数制限(1試合上限100球など)
- 前の試合の球数による登板間隔(100球投げたら登板間隔4日など)
- 延長戦でのタイブレークの導入
球数制限に関する私案
- 1試合上限100球(100球を超えた場合、そのイニングは投球可能、次のイニングからは駄目)
- 延長戦になった場合、投球数は一旦クリアして、延長戦になってからの投球数50球を上限。
- 延長戦になった場合、10回からタイブレークを導入
- 登板間隔に関しては制限なし
色々方法はあると思いますけど、現実問題としてさすがに球数による登板間隔を導入するのは厳しいのではないでしょうか。100球制限とした場合、コールドゲームにならなければ最低1試合2人は投げないといけないと思うので、勝ち進んで試合間隔が短くなってきたら、投手が6~8人位いないと回らない気がします。そうなると、それこそ選手層の厚い強豪私学しか試合が出来なくなるんで、通常2人、バックアップとして2人の4人体制なら何とか回せる体制を作れるのではないでしょうか。
実際、そうなったらそうなったで、どのチームもピッチャーを増やさないといけないので強いチームは強いチームなりに、弱いチームは弱いチームなりに何とかするんじゃないでしょうか。1チームの人数が少ないとか合同チームがとかいうのはこれは少子化と野球の競技人口の減少という別の問題で、試合できる人数がいるなら、何人かが投手兼任するしかないでしょう。
ピッチャーってやっぱり野球の中で花形のポジションなんで、そのポジションを一人でも多くの選手が経験できるんであれば、むしろ選手にとってもいい思い出になっていいんじゃないでしょうか。
「ピッチスマート」 年齢ごとの投球数のガイドライン(アメリカ(MLB))